庭の草刈りをしているつもりがスギナを増やしていた話
自宅の庭の雑草は、ずっと母が草むしりをしていました。
はさみと手で、黙々と。決して広い庭ではありませんが、家の周りや芝生部分を手作業でやると、かなりの時間がかかります。
ところが高齢化で足腰が弱くなり、母が草むしりを続けるのが難しくなりました。しばらく放置していたら、玄関前の雑草が伸び放題。虫も増え、「さすがにこれはまずい」と、邪魔な部分だけでも何とかしようと動き始めました。
最初はハサミで切るだけ。電動草刈り機は跳ね返りが怖くて使いませんでした。しかし、数年後に気づいたのです。草刈りをしているつもりで、実はスギナを増やしていたということに。
今回は、高齢化と庭の雑草対策、そして最終的に除草剤に頼ることになった経緯をお話しします。同じ悩みを抱える方の参考になればうれしいです。
電動草刈り機を使わない「安全第一」の選択
庭石や縁石が多い場所での電動草刈り機の使用は、初心者や中高年世代にはおすすめしません。
電動草刈り機、特に金属刃タイプは、石や硬い障害物に当たった際に刃が弾かれる「キックバック」という現象が起きやすく、大怪我に繋がるリスクがあるからです。また、慣れない重い機械を無理に振り回すと、腰や膝を痛める原因にもなります。
我が家の場合も、玄関先には大切な庭石が並んでいました。電動で一気に刈れば数分で終わる作業ですが、石の周りを攻めようとすると、どうしても刃が石に当たってしまいます。「火花が出て石が欠けた」という話も聞き、私はあえて不器用でも「ハサミ」を選びました。
時間はかかりますが、自分の手でハサミを動かす分には、石を傷つけることも、自分が怪我をすることもありません。中高年の庭メンテナンスにおいて、「スピード」よりも優先すべきは、絶対に「安全」です。
手間はかかりますが、障害物の多い日本の住宅地の庭では、アナログな手道具(ハサミ)の方が安全管理の面で理に適っているのです。
スギナは切れば切るほど増えるという残酷な事実
スギナをハサミで切る、あるいは中途半端に抜くことは、スギナの繁殖を手助けしているのと同じです。
スギナは「つくし」の後に生えてくる非常に生命力の強い雑草です。その最大の特徴は、地下深くまで伸びた「地下茎(ちかけい)」にあります。ハサミで地上部を切ると、スギナは生命の危機を感じて、地下にある根(節)からさらに新しい芽をいくつも出します。また、根を抜こうとして途中で切れてしまうと、その残った小さな根の断片すべてから、再び芽が吹いてしまうのです。
私は、「とにかく見た目さえ綺麗になればいい」と、目につくスギナをハサミで根気よく切り続けていました。しかし、1年目より2年目、2年目より3年目と、スギナの密度は明らかに濃くなっていったのです。
さらには、今まで全く生えていなかったエリアにまでスギナが進出。ちょうど夏前の種が飛ぶ時期に刈り取っていたこともあり、自分の手で種を庭中にばら撒いていたようなものでした。3年目の夏、「あれ?これ、全然減ってないよね?」と気づいた時の絶望感は忘れられません。
スギナは切れば切るほど増え、さらに時期によっては胞子が飛び、別の場所にも広がります。スギナを減らしているつもりが、実は増やしていたという皮肉な結果でした。
芝も刈るほど元気になる
芝生は、刈り込むことでより青々と成長する性質を持っています。
芝生には、成長点をカットされると横へ横へと茎を伸ばし、密度を上げようとする性質があります。これを「分けつ(ぶんけつ)」と言います。意図的に芝生を育てたい場合には有効な手段ですが、雑草と混じってボーボーになっている場所で適当に刈ってしまうと、そこだけが生き生きと復活してしまうのです。
我が家の庭も、雑草なのか芝なのか見分けがつかないほどひざ丈まで伸びていました。玄関前の邪魔な部分だけをハサミで切り揃えたところ、数週間後、刈った部分だけが見事なまでに「青々とした絨毯」のように復活してしまいました。
一方で、面倒で放置していた奥の方は、意外にもひょろひょろと伸びたままで、それほど勢いがありませんでした。「無理して刈ったところだけが超元気になる」という皮肉な結果を見て、私は「無理して草むしりをする必要はなかったのでは?」と苦笑いしてしまいました。
「とりあえず切る」ことは、特定の植物に栄養と刺激を与えることになります。
最終的に除草剤を選んだ理由
体力とのバランスを考え、根まで枯らす除草剤を使うことにしました。
年齢とともに体力は確実に低下します。スギナのように地下深くで繋がっている強敵をすべて手作業で解決しようとするのは、もはや現実的ではありません。無理をして熱中症になったり、腰を痛めたりしては本末転倒です。根まで枯らすタイプの除草剤を適切に使い庭管理をすることにしました。
私は「ハサミで雑草とりの失敗」を経て、ついに除草剤(グリホサート系など、根まで枯らすタイプ)を使うことにしました。あんなに切っても切っても増えていたスギナが、散布から数週間後、根っこからじわじわと枯れていくのを見て、今までの努力は何だったのかと思いましたね。
「できれば除草剤を使いたくない」という思いもありましたが、体力的に無理をして続けることのほうが問題だと考えました。
雑草対策は理想論だけでは続きません。現実的な選択も必要です。
まとめ:無理をしない庭管理がいちばん大切
今回の経験から学んだことは、
・ 高齢になると草むしりは大きな負担になる
・ スギナは草刈りで増えることがある
・ 芝は刈るほど元気になる
・ 電動草刈り機は安全面に注意
・ 状況によっては除草剤も選択肢
ということです。
庭の雑草対策は、「根性」や「努力」だけでは解決しません。特にスギナ対策は、根まで考えた方法が必要です。