デジタルとアナログの使い分け方 〜中高年のためのハイブリッド生活術〜

銀行通帳は捨てないで!
相続で私を救った「20年前のアナログの証明力」


振込手数料が安くて、ATMも使いやすい。
ネット銀行は本当に便利ですよね。私も普段の振込や管理はネット中心です。

昔の紙通帳はもういらないと捨ててしまってはいませんか?

でも、自宅の土地の関係で相続税申告を税理士さんにお願いすることになったとき、「通帳があってよかった」と心から思う出来事がありました。税務署からの問い合わせに備えて、相続人の過去10年分のお金の流れを提出する必要があったのです。

そのとき、20年以上前の通帳が証拠として役立ちました。
まさかこんな形で古い通帳が必要になるとは思っていませんでした。

この記事では、ネット銀行のメリットを活かしながらも、銀行通帳を残しておく重要性について、実体験をもとにお話しします。

古い通帳が役立つことも

ネット銀行を中心に使うようになっても、過去の紙の通帳は保管しておいたほうが安心です。

理由は、相続や税務調査などで「過去のお金の流れ」を証明する場面があるからです。データは消えることがありますが、通帳は物理的な証拠として残ります。

今回、相続税申告のために税理士さんから「相続人の通帳10年分を提出してください」と言われました。銀行の取引履歴は原則10年程度までしか保存されていないことが多いそうです。ところが、私は大学卒業後すぐ働いていた頃の通帳を20年間保管していました。引っ越しのたびに「もういらないかな」と思いつつも捨てなかった通帳です。

その通帳が、過去の資金移動を説明する証拠として役立ちました。
結果的に、「通帳を捨てなくてよかった」と心底思いました。

銀行の取引履歴は無期限ではない

銀行の記録はずっと残るわけではありません。

「銀行だから安心」と思いがちですが、取引履歴の保存期間は一般的に10年前後とされています。ネット銀行でも同様で、すべての取引履歴を長期間さかのぼって閲覧できるとは限りません。

実際に、古い通帳を処分していた口座では、過去の明細を再発行してもらうのに1万円以上の手数料がかかりました。通帳を持っていれば無料で確認できたはずの情報です。

お金もかかりましたが、時間もかかりました。直接銀行に行き手続きをして取引明細書を発行してもらう手間、手続きだけして郵送に1週間以上かかる銀行もありました。基本、即日発行のところもありますが、解約した口座の場合は郵送になることもありました。

ネット銀行の場合は電話で問い合わせて取引明細書の発行をお願いして、郵送となりました。時期が4月だったのでちょうど新年度で混み合う時期でしたので大変でした。ただでさえ相続の手続きはいろいろあるので疲れました。

また、ネット銀行によっては10年分すべてをWeb上で確認できないケースもあります。ログインできなくなる、サービスが変更される、といった可能性もゼロではありません。

だからこそ、紙の通帳は「最後の控え」としての役割を果たしてくれます。

相続税申告では通帳が重要な証拠になる

相続税申告では、お金の流れを確認するとき通帳が重要な証拠になります。

理由は、税務署が「資金移動の経緯」を確認する場合があるからです。特に自宅の土地など不動産が絡むと、過去の資金の出入りを細かく見ることがあります。

私の場合も、税務署からの問い合わせに備えて、税理士さんを通して相続人の通帳を提出することになりました。贈与とみなされないか、名義預金ではないか、といった点を確認するためです。

その際、20年前の通帳があったことで、資金の流れを説明できました。もし通帳がなければ、説明に時間がかかったり、余計な疑いを持たれたりしたかもしれません。

相続は突然やってきます。準備しているつもりでも、想定外の資料が必要になることがあります。だからこそ、古い通帳も安易に捨てないほうがよいと実感しました。

無通帳の場合は「保存」を意識する

無通帳の場合は、定期的に通帳の記録を保存しておくことが今後の相続などで使える証拠になります。

税理士さんに10年間のお金の流れの書類を渡すとき、ネット銀行の口座はスクリーンショットや画面の印刷でも大丈夫でした。まったく証明できるものがないのが問題なようでしたね。ネット銀行が一般的になったのでスクリーンショットでもお金の流れがわかるものであれば大丈夫なようでした。正式な証明書ではありませんが流れをみれるので問題なかったようです。

最近、ネット銀行だけではなく、一般の店舗のある銀行でも通帳を有料化してweb通帳にする流れになっています。紙通帳があるから店舗のある銀行口座を残していたのにと思いました。さすがにお金を払ってまで通帳を残すほど便利な銀行ではないのでその銀行口座はあまり使わなくなりました。

まだ、紙の通帳が無料のところもあります。さいわい、生活費全般に使っているところはまだ紙通帳が無料です。記録として残したいときは紙通帳の口座を使うようにするため1つはあるといいですね。今後、無通帳になるかもしれませんが。

通帳のない銀行を使うなら、記録の保存を自分で行うことが大切です。

ネット銀行は振込手数料優遇やATMの利便性、Web画面の見やすさなど多くのメリットがあります。私も日常使いはネット中心です。

ただし、通帳が発行されない場合は、定期的に取引明細をPDFで保存したり、パソコンや外付けストレージにバックアップを取ったりする必要があります。アプリで管理している場合でもスクリーンショットをとっておくことをおすすめします。

そのため、
・通帳のない銀行はデータをマメにパソコンなどに保存しておく
・過去の紙の銀行通帳は保管しておく
・無料で通帳が発行される銀行を1つ持つ

という組み合わせもおすすめです。

デジタルだけ、アナログだけに偏らない。両方をうまく使うのが安心です。

まとめ:古い通帳は「いらない」ではなく「保険」

ネット銀行は便利です。振込手数料も安く、スマホひとつで管理できます。ですが、相続や税務対応といった場面では、銀行通帳というアナログの証拠が力を発揮します。

・銀行の記録は永遠ではない
・明細再発行には高額な手数料がかかることがある
・相続税申告では10年分以上の確認が必要になる場合もある

大学卒業後の通帳を、引っ越しのときに捨てずに持っていたことが、まさかこんな形で役立つとは思いませんでした。

これから通帳を整理しようと思っている方は、少しだけ立ち止まってみてください。
「もう使っていないから不要」ではなく、「将来の保険」として残しておく。

デジタルとアナログの使い分けは、こういうところにも表れます。
便利さと安心感、その両方を持つハイブリッドな家計管理を、ぜひ意識してみてください。